碧水会のリレー随想                   西山宏明(1968 電工)        
 e0027   ボートが与えてくれたもの          原稿受領日:2012.06.20  
 リレー先指名 :                                 
 平成24年6月11日、我々が1年の頃監督だった浮田さんを偲ぶ会があり、2次会で1968年のメンバーが8人集まった。 同学年だった故人の高橋、末松、秋葉、宮田4人への献杯でスタートしたが、集まったメンバーは皆元気である。もう60代後半に突入しているのにだ。60才を過ぎると話の中心は孫の話と病気の話と相場は決まっているのだが、このメンバーは違う。現在の自分の話と未来の話が多いのに驚く。

 私が理工ボートに入部したのは、戸田のレースを観てアメンボウのようでカッコいい!とあこがれたからだが、見るとやるとでは大違い。陸上トレーニングはきびしく、すぐに音を上げてしまった。1年の時だけの現役で、漕いだのはナックルフォアだけである。

 後は合宿の飯炊きが主だったから、いわば落後者だった。そんな私にも、同期が集まるときには坂本荘太郎が声をかけてくれる。実にありがたい話である。 現役の1年だけで立派に腰を痛めてしまったので現在までずっと腰痛持ちである。私にはボートはなにを与えてくれたのだろうか。 むしろ失ったものの方が大きいような気もしないではない。

 しかし、この同期のメンバーが集まると、そんな気分がふっ飛んでしまう。誰かさんのマネではないが、与えられたものは、この「仲間」だろう。 トレーニングの辛さを知っている、ボートの面白さを知っているこの「仲間」だ。それは、いわば自分の人生の一部の正に「生き証人」といえる。

 今、現役の皆さん、落後者だったOBの皆さんにチョットしたメッセージになれば幸いです。