碧水会のリレー随想   佐藤信彦  1968年 電気工学科
 e0013  みんなで、そして、代理じゃだめ。
     必要なのは、お前さんだよ
 
 
原稿受領日:2011.07.14
 リレー先指名 : 大嶋壮夫(1968)、小林正志(1969)

 滝本さんが、中心となられて始まった、リレー随筆。楽しみです。そして、渡辺文彦さんが私に書く機会を下さって、ありがたい、うれしい。

 中学校の体育祭。リレーと言えば、花形。クラスのエースが、登場。ワクワクしてきます。そういうなか、代表リレーのほかに、全員リレーと言うのが、色々な学校で始まりました。私も、何回も経験しましたが、この全員リレー。その名の通り、クラス全員で、走ります。リレーしながら。

 足の速い連中は、エーといって、やる気が出ないのが、普通です。速く走らなくても、何人か抜けるし、俺が速く走ったって、あいつの時必ず抜かされちゃう。こんな具合です。

 それが、練習を重ねて、何回もやっていくうちに、代表リレーでは味わえない、なんともいえないものを感じ、そのとりこになっていくのです。その過程と言うのが、実は、全員リレーの面白さでもあり、醍醐味でもあります。

 優勝してみると、お前が居てくれたから、うちのクラスが勝ったんだと、足の一番遅い生徒に、みんなが飛びつく、そういうシーンも何度も見ました。

 クラスという、偶然集まった仲間。それを出発点として、その仲間に落胆し、文句をいい、不平不満、けんか、悪口。それが、やっていくうちに、このクラス仲間は、オレの宝だ、一生の思い出だと。

 全員リレーと、ボート競技、私は、よく似ているなーと思います。ボートが無くたって、練習場が無くたって、からだの大きなやつが、いなくたって、智恵で、ゼロからスタートして、最高のチームを作る。

 これこそ、自由だ、夢だ、愛だ。ロマンだ。

 理工ボート部での、この、原点。ありがたいことです。思い出は、尽きませんが、その中でも、最高のものはと言われれば、オックスフード盾エイトで、力が入ってないように思えるのに、艇は、どんどん進む。あの感覚はほんまに宝です。

 それを思い出すにつけても、その時一緒に漕いでいた、末松が、秋葉が、艇には乗らなかった、高橋が、そして、いつも応援してくれていた、宮田が、この世に居ないのは、なんとも寂しい。

 理工ボート部。健在なり。一人ひとりの心の中で、日々の生活の中で、天国で。先輩、同期、後輩の、みなさん。ありがとうございます。そして、支えてくれた、一人ひとりの奥様方、彼女の皆さん。ありがとうございます。

                                         以上
リレー先は、
 震災の被災地のすぐ近くで、がんばっている、大嶋壮夫さん。
 オックスフォード盾エイト4番、小林正志さん。